お話のカゴ

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物語を読むということ

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今週のお題「下書き供養」ということです。文章の供養ということで、少し趣向を変えたお話を考えてみました。

 

やあ、こんにちは。

あなたが、今、読んでくれたことで、存在している者です。

何を言っているんだって?

そうですよね。普段なら、何か面白かったり、ワクワクしたり、感動したりする、お話が展開されることを期待して、読んでますよね。

今回は、そういうお話ではありません。

お話しが読まれている側のことを伝えてみることを試みてみます。

さて。あなたが普段読んでいる文章には、いろいろな人間もしくはキャラクターが出てきますよね。その者たちは、あなたが読んでいる間、存在することが出来ているわけです。

なかには、ずっと長く愛されているキャラクターもいます。

ロンドンに住んでいる名探偵とか、竹から生まれた姫とか、3人兄弟の子豚とかね。

この人たちのような存在は、僕らの憧れです。

僕なんかは、そこまでの特徴がないので、ひっそりといろんな物語にちょこちょこ出ている程度です。

名探偵の依頼主の3番目の召使とか、主人公に倒される側の手下の一人だとか、物語の語り部とか。

そうなんです。物語が終われば、存在が終わるけど、次の物語で、また生まれ変われるのです。

そちらでいう、輪廻転生のようなものですね。

もしかすると、あなたに合うのも、初めてではないかもしれません。

今も無数の物語が生まれ続けています。

短命で終わるものもあれば、たくさんの人に読まれて、物語の枠を超えて、存在できるものも出てくることでしょう。映画化とか、キャラクター商品とかね。

でも、すべては、読んでもらうことから始まります。そうなのです。

あなた方、次第なのです。

我々にとって、あなたのような存在は創造主のような存在です。

どうかこれからも、たくさんの物語を読まれて、私のようなものの活躍の場も作ってください。

そろそろ、この文章も終わりに近づいてきたようです。

いつもながら、寂しくなります。

でも、今回は、こちらの事情もお伝えすることが出来て良かった。

また、いつの日か、どこかの物語で、お会いいたしましょう。

それでは、さようなら。

 

おわり。

 

追伸:

なんか、へんなお話になりました。

大丈夫だろうか。